例えば、仕事に忙殺されている、とあるユーザーがいたとしよう。そのユーザーには恋人がいるのだが、その彼氏・彼女の誕生日が明日に迫っている。人工知能アシスタントは、過去の検索履歴や行動履歴からそのことに感づいている。もしかしたら、SNSなどに投稿された親密な写真を分析して、ユーザーの恋人やその誕生日を把握しているかもしれない。そして、恋人の誕生日をうっかり忘れていたユーザーに「明日は恋人の誕生日。プレゼントは必要ないですか?」と知らせる。しかも、スケジュール帳やメール履歴からユーザーの1日の行動パターンも把握しているので、「プレゼントの購入も近場で済ませる必要がある」と気を利かすかもしれない。人工知能アシスタントは次に、位置情報やウェブ上のデータから、ユーザーや恋人の趣味に合うショップをピックアップ。最適な情報を“自ら”提供する。
この例はある程度、想像を飛躍させたものではある。が、現在、スマートフォンやPCには、ユーザーの人間関係、趣味、施行、健康状態、一日の行動パターンなどあらゆる情報が蓄積され続けている。それらを人工知能アシスタントが学習し、周囲の情報と連動させて、ユーザーに自動的に提示するようになるタイミングは、ここ数年のうちにきっと訪れるはずだ。
実際、ガートナーは2020年にはそのような状況が来ると分析しているふしがある。レポート「Gartner Predicts 2016」のリリースには、次のような一文がある。
「仮想パーソナルアシスタント (VPA) や他のエージェントの形で、スマート・エージェント・テクノロジはクラウド型のニューラル・ネットワークとともにユーザーのコンテンツと挙動をモニタリングしてデータ・モデルを構築・管理することで、人やコンテンツ、状況などを推論するようになるでしょう。このような情報収集とモデル構築をベースに、VPAはユーザーのニーズを予測し、信頼を確立し、最終的にユーザーに代わって自発的に行動することが可能になります」
また、人工知能アシスタント開発の当事者であるGoogleも、Google NowのHPに次のような見出しを付けている。
「一日の生活の中で必要な情報が、尋ねる前に自動的に表示されます」
