IoTや自動走行に必須な「5G」世界で競争激化…2035年には1382兆円市場

ロボティア編集部2017年7月26日(水曜日)

 5Gの特長は主に3つ。まず「超高速」であることがあげられる。通信業界ではすでに、2014年から「4Gよりも100倍以上速い通信技術」として注目されている。ふたつめ目は、超低遅延の実現だ。これによって、ロボットなどの精巧な操作や制御をタイムラグなし・リアルタイムで可能にするとされている。

 最後に、ネットワークへの多数同時接続があげられる。5Gは、従来の100倍近い個数の端末へ同時通信が可能。現在、自宅でインターネットに接続しているのは、せいぜいスマホやパソコン、テレビくらいだ。スマホでメールやSNSを利用したり、音楽や動画を楽しむ分には現状の4G通信速度でそこまで不便さは感じない。しかし、今後は冷蔵庫や洗濯機など、あらゆる家電機器がネットワークに接続=IoT化が急速に進めば、トラフィック(通信回線を利用するデータ量)の急増は避けられない。そこで、5Gの出番となる。

 自動走行車の商用化も5Gなくしてあり得ないだろう。例えば、急に他の車が割り込んできたときに急停車を余儀なくされるケースが想定されるが、その場合、走行中に管制センターや周辺機器と絶えず無線通信をやり取りできる、途切れることのない高速通信が必要不可欠だ。なお5Gを利用すれば、0.001秒の速度で自動車同士間のデータをやり取りすることができるとも言われている。

 その他にも、医療やスポーツ、防衛訓練など多領域で活用が有力視されているVR(仮想現実)も、5Gが必須となってくる。

 たとえば、病院に5Gの環境を整えれば、手術する患者の部位を高画質ホログラム映像として映し出すことが可能だ。360度どの角度からも見ても共有することができ、あらかじめ手術方法を議論することにも役立つ。同じ環境を整えた病院があれば、海外にいる医者とも連携がとることができ、医療の劇的な向上が見込まれる。