急成長遂げるインド医療機器市場…2025年に500億ドル規模か

ロボティア編集部2016年9月24日(土曜日)

 インドの人口は加速度的な増加を見せており、2020年には 13億人に、 そして 2030年には中国を追い越し世界1位になると見込まれている。

 死亡率には大きな変化はなく、出生率が着実に伸びている。しかし、心 臓病、癌、糖尿病といった生活習慣病が増加しているのも事実だ。生活習慣病の増加をうけて、その予防や治療に向けた医療機器の需要が増えつつある。

 近年、インドの医療産業は急速な発展を遂げており、2018年までに 1450億ドル、2025年までに2800億ドル規模に達する見通しだ。 このような医療サービスの需要拡大に伴い、インド政府も医療機器に対する外資規制を緩和させる方針を打ち出している。

 インドの医療機器市場の規模は既に22 億ドル以上とみられ、全体の規模でみれば世界の上位 20 ヵ国に入る。Deloitteとインドの医療産業団体NATHealthが実施した共同調査によると、近年インドの医療機器市場は急速に発展しており、2020年までに年率15%増で成長し、86億ドル規模に、また2025年には500億ドル規模に達する見込みだ。

 これまで、従来の医療機器は農村部や低所得者には行きとどかず、都市部の高所得者層向け医療サービスに関連したビジネスにのみ注力されていた。しかし近年では、 拡大する中低所得者層のニーズや予算に見合った製品を提供するため、メーカー間で戦略の転換を図る傾向が見られる ようになっている。

 また、インドの医療施設は年々増大する医療需要に追いついていないという課題を抱えている。そのような状況を受け、インド政府は、国を挙げて医療施設と医師の大幅増加に乗り出した。都市部だけでなく、農村部をはじめとする地域への病院インフラの構築を掲げ、実現に向けた取り組みを行っている。病院建設が進めば、それだけ医療機器の需要増につながる。