【ドローン空撮】「写真測量」と「レーザー計測システム」の現在

ロボティア編集部2016年8月22日(月曜日)

 現在、測量分野ではドローンの利用が非常に期待されています。ドローンは空を自由に飛行できるツール。広い範囲を効率的に計測したり、人が立ち入れないような場所でも、データを収集・計測することができます。

 ドローンを使った測量については、日々技術開発や研究が進んでいますが、まだまだ発展途上です。そのため、できることと、できないことが明確に分かれています。

 まず現在、ドローンによる測量となると、ほとんどの場合が「写真測量」になります。従来、この写真測量は、60%~80%ずつ垂直写真を重ねて撮影し、対象の位置関係を三角測量の原理で算出して、図面などを作成していく技術でした。言い換えれば、数十枚の連続写真を撮影し、それをつなぎ合わせて点と線で絵を描くというイメージです。

 また最近では「SfM法」と呼ばれる写真測量手法により、重ねて撮影した写真の特徴点をPC上で自動的にマッチングさせ、対象の3次元データを計測することが可能になりました。この手法によって、従来数十枚の連続写真だったものが、数百枚の写真をつなぎ合わせることができるようになり、数千万点もの点群データも同時に取得出来るようになりました。このSfM法とドローンを組み合わせることで、以前とは比べものにならないほど簡単に、測量を行うことができるようになっています。

 ところが、この写真測量にも限界(上記図を参照)があります。というのも、写真に写っていないものは計測できないのです。例えば、木々に隠れてしまっている地形の形状を、写真測量で計測するのはほとんど不可能。ですが、この木々に隠れてしまっている地形の形状こそ、非常に重要なデータとなります。