韓国では、人工知能やロボットの普及が社会の各分野に大きな変化を起こすという見通しのもと、雇用・教育、法律的分野など新しい対策が必要であるという指摘が増え始めている。また医療の発展により、遺伝子の特定の部位を除去もしくは修正する遺伝子編集技術が台頭し、これまで治療が難しかった病気の克服に期待が集まっている一方、深刻な副作用の可能性も懸念されるため、安全性の検証が改めて必要になるのではという意見がでてきている
韓国政府省庁のひとつ・未来創造科学部は7日、第10回国家科学技術審議会に報告した「2015年度技術影響評価の結果」で、人工知能および遺伝子編集技術について、以下のような内容を伝えた。
まず技術影響評価は、新しい科学技術の発展や登場が、国民生活に与える肯定的・否定的な影響を事前に評価。その結果を政策に反映したり、技術の望ましい発展方向を模索するために毎年実施されている。
人工知能技術は、人間の知覚・推論・学習能力などをコンピュータに実装し、問題を解決することができる技術である。しばらく発展が停滞していたが、最近ではディープラーニング、自然言語処理などの分野で新たな可能性を見せている。
人工知能技術が発展すれば、産業と雇用に変化が訪れる見通しだ。スマート工場など、製造業やサービス業が知能化し、生産性の向上や、新しい付加価値の創出が可能となる。一方で、コールセンターのようなマニュアルベースの職種や、医療診断・法律相談など、いくつかの専門サービスが人工知能に置き換えられ、その代わりにロボット開発者・ソフトウェア開発者・ホワイトハッカーのような人工知能に関連した新たな職業群が登場すると予想される。したがって、職業構造の変化に対応した、雇用および教育政策が必要になると指摘された。
また、人工知能を搭載した自動走行車が故障し、事故を起こした時、または人工知能がハッキングなど犯罪に活用されたときの責任所在を明確にするために、新しい法律体系と規制が必要であると評価された。
人工知能が人間の倫理的判断を代わりにすることができるかどうか、判断の結果に対する責任の範囲はどこまでなのかなど議論が必要で、人工知能が収集・分析・共有する莫大な情報により、個人情報やプライバシーへの懸念が大きくなるという評価もあった。
