2025年には10兆円規模に…ロボット市場予測を調査会社が相次ぎ上向き修正

ロボティア編集部2017年7月20日(木曜日)
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 ボストンコンサルティンググループ(以下、BCG)、トラクティカ(Tractica)などコンサルティング・市場調査企業が、ロボット産業の成長率や市場拡大予測について、数値を上向き修正している。

 BCGは2014年に発行したグローバルロボット市場を分析する資料で、2025年までに売上高が670億ドルに達すると予想している。しかし、今年2017年に発表した市場予測レポートでは、2025年のロボット産業の市場規模予測を870億ドル(約10兆円)と上向き修正した。 BCGが市場の見通しを高く見積もっているのは、消費者用ロボット=サービスロボット市場が大きく成長しはじめているからだ。

 一方、トラクティカは、ロボットおよびAI産業を合わせた市場予測資料を公表している。そこでは自動走行車などに用いられるAI技術も合わせて計算されており、予測される市場規模がかなり高く見積もられた。トラクティカは2022年のロボット市場規模を2370億ドルと予測。これはBCGの予測よりもはるかに大きい数値だ。

 両社はともに、ロボット技術の発展に注目している。これまでのロボットは、サイズが大きく、危険で、プログラミングやメンテナンスが困難という特徴・印象があった。しかし、最近登場しているロボットは、音声および言語認識機能、高速通信機能、データ&アルゴリズムライブラリ、学習能力、モビリティなど、スマートかつ人間との共存しやすい特徴を持っている。

 なおBCGは、最近のロボット産業の成長について、次のように要点を整理している。

 まずロボットメーカーの資金調達の規模が、毎年、指数関数的に増加しており、企業買収額もますます大きくなっている。次にロボット、センサー、CPU、通信装置の価格は下落しているが、性能は向上している。加えて、ロボットのプログラミングは、GUI、ROSなど簡易なインターフェイスを通じたものに変化している。