NTT東日本:文化観光分野のAI 翻訳サービス「ひかりクラウドcototoba」提供開始

ロボティア編集部2017年7月5日(水曜日)

 NTT東日本が、文化観光分野のAI 翻訳サービス「ひかりクラウドcototoba」を、2017年7月3日(月)から全国で提供開始した。

 同サービスは、デジタルコンテンツ制作等のサービスを展開するさまざまな企業へ翻訳機能をAPI提供する。提供を受けた企業側は、コンテンツおよび多言語翻訳をセットで文化観光施設に提供することができるようになる。

 日本では観光立国の実現に向け、外国人の来訪を促す取り組みが全国的に進んでいる。都市圏では近隣エリアとの差異化や施設のオリジナリティ向上、地方圏では地域全体での集客アップや観光資源開発が拡大している。そんな中、訪日外国人の集客やサービス・施設の利用促進にあたっては、コンテンツの多言語化(日本語から複数言語への翻訳)が求められており、翻訳対応にかかるコストや納期、管理稼働等がこれまで以上に課題となっている。

 NTT東日本は、これまで Wi-Fi やデジタルサイネージなどを活用した文化観光施設への ICT 化の取り組みなどで、訪日外国人のおもてなしに貢献してきたが、今回、新たに同サービスを提供開始することで、文化観光施設の多言語対応をサポートしていく計画だ。

 ひかりクラウドcototobaは、独自に制作・収集された文化観光分野の対訳コーパスや頻出フレーズ・単語を大量に機械学習させることで、同分野における翻訳精度を向上させた AI 翻訳サービス。主に、デジタルコンテンツ制作(Web サイト、アプリ、デジタルサイネージ等)のサービスを有している企業(以下、パートナー企業)に対して、翻訳機能を API 提供する。パートナー企業は、デジタルコンテンツと多言語翻訳をセットで提供することで、文化観光施設等に対しワンストップで多言語ソリューションを展開することが可能となる。

 対応言語は、テキスト翻訳が6言語(日本語⇔英語/中国語:繁体字・簡体字/韓国語/フランス語/スペイン語)、翻訳メモリ機能4 言語(日本語⇔英語/中国語:繁体字・簡体字/韓国語)となり、今後、フランス語、スペイン語の翻訳メモリも対応予定だ。

 なお、凸版印刷社が提供する観光事業者向け翻訳サービス「ジャパリンガル」に、同サービスが初導入されることが決まっている。

■関連記事
-NTTデータがカナダ・オンタリオのイノベーションハブ「MaRS」と提携
-“皮肉”を見破る機械翻訳システム登場…自閉症患者などの会話理解を促す
-人工知能が17世紀の古典文献を機械翻訳…作業期間が27年も短縮と予想
-プロ翻訳家と人工知能が「翻訳対決」圧勝したのはもちろん…