AI搭載「知能化」監視カメラ...動作検出機能が劇的進化

ロボティア編集部2017年3月13日(月曜日)

 日本では現在、セキュリティー人材の不足は深刻化して久しいと言われている。監視カメラおよびシステムが、より効率的かつ正確にものごとを判断し、人間の業務を補完することが望まれている。事情はそれぞれだが、世界各国でも状況は似ている。監視業務の成果向上を求める声は日毎に高まっている

 そんななか、監視カメラおよび監視業務において知能化(スマート化)が徐々に進んでいる。今後、映像分析技術が進化を続けることで、映像の中の状況を自動的に識別し、犯罪、事故、自然災害の予防に貢献すると見られている。また、人間が行ってきたモニタリングや管制業務の多くが、機械によって代替されるとも予想されている。

 監視システム業界の関係者によると、現在、監視カメラの映像分析技術は、単純な行動の検出から、目標を追跡し行為を判断するレベルまで高度化されはじめているという。知能化された映像分析の中心的な要素として、最近ではディープラーニングなど人工知能(AI)によるデータ処理技術が浮上している。既存の監視カメラの動作検出(Motion Detection)技術に加え、データ処理技術を使用して識別力を向上させるというものだ。

 例えば、これまでの動作検出技術は、犬なのか猫なのか、また人なのか車なのかなどの面で識別力が完璧ではなく、技術不足による判断エラーが頻繁に発生してきた。しかし、人工知能などが搭載されることで、対象やその動きの方向まで検出することが可能になりつつある。

 対象の正確な識別が可能になれば、事件発生時の正確な対応が可能となる。具体的には、倒れている人と、眠っている動物をしっかりと区分できれば、適切な措置が可能になるだろう。そのような知能化された監視カメラの市場規模は、近いうちに一般の映像監視市場を上回るだろうという予想もある。

 このような技術発展の流れに応じて、韓国では少なくない動きがある(なお、韓国では監視カメラをCCTVと呼ぶのが一般的)。韓国インターネット振興院(KISA)は昨年10月から、「知能化された監視カメラの試験・認証サービス」を開始した。同認証サービスは、市場の拡大が予想されるなか、信頼性の向上と検証を必要とする企業側のニーズによって導入された制度だ。

 認証を受けるためには、徘徊、侵入、遺棄、転倒、ケンカ、放火など6つ行為のうち、徘徊と侵入を完璧に検出できる必要がある。加えて、それ以外の行動のひとつ以上を選択。90%以上の精度で検出する必要がある。