AIで激変する音楽業界…新人発掘や作曲までこなす!?

ロボティア編集部2016年12月6日(火曜日)

 人工知能(AI)が音楽業界を変えようとしている。視聴者へのおすすめから、新人発掘、挙句の果てには作曲にも活用されるなど、その浸透ぶりは深く、そして早い。

 多くのアーティストは、AI技術を自分の歌に取り入れることに疑念を抱いている。音楽業界もまた、変化を受け入れることに積極的ではなかった。しかし、インターネットの普及により、著作権侵害、共有の拡散など、業界自体を脅かす危機に立たされてもいる。そのため、最近では音楽を販売する産業側から徐々に変化が起こりつつある。データ分析や、AIを迅速に取り込み、多様化するリスナーのニーズに合わせたサービスを提供しはじめているのだ。

 例えば、利用者が聞く曲のリストを収集して、同様の歌を聞く他の利用者のデータと比較。新しい曲やアーティストを推薦するのにもAIが使用されはじめた。アップルミュージックは、レコメンド(推薦)サービスにまだ人間の推薦者を取り入れているが、スポティファイはすでに、ロボットによる推薦サービスをこれまでの二倍に増やし、他の曲に誘導しているという。

 AIの活用は、レコメンドサービスの“限界”を克服するために有用とみられている。既存の推薦機能は、同じミュージシャンの曲を繰り返し提案したりと、リスナーの気分の変化に対応していない場合が多かった。そのため、利用者側からはたびたび不満が提起されていた。しかしAIを活用すれば、リスナーの位置、周囲の天候など、スマートフォンが提供する情報と結合した推薦が可能となる。つまりおすすめサービスを、より高い次元に向上させることができる。

 もちろん、リスナーが置かれた個別のシチュエーションに合わせた推薦も可能だ。料理をしたり、デートをしたり、駅で待ち合わせしたり、ランニングをしていたりと、人間が音楽を聞く状況は千差万別。AI使ってそれら状況を把握、最適な音楽を提供することも、技術的に不可能ではなくなってきている。