前途多難な韓国「スマートシティ計画」…成功例少なく模索続く

ロボティア編集部2016年11月19日(土曜日)

 韓国政府は現在、ユビキタス・コンピューティングを利用した、都市主要サービスのデジタル化に意欲的に取り組んでいる。 

 彼らが推進しているのは、「ユビキタスシティ」、略して「Uシティ」と呼ばれるプロジェクト。それは、都市空間にICT技術やエコ技術を用いて、市内サービス、小売店や住宅のデジタル制御およびコミュニケーションを自動化・供給することを目的としている。また、行政・交通・物流・エネルギー・環境・水管理・住居など、あらゆる生活インフラサービスを効率的にコントロール・管理し、継続的な経済発展を見据えた新しい都市をつくるためのプロジェクトである。 

  Uシティ推進プロジェクトは、U-City法に則り、国土交通部を中心に通信網、知能化された施設、都市統合運営センターなどの設置を中心に進められている。 

 構築費用は平均的に300億ウォン~400億ウォン(約28億951万円~約37億4601万円)規模で、これは一般的な新都市造成事業総額の3%未満の水準だ。 

 一例として、韓国では仁川(インチョン)市の埋立地に、松島(ソンド)新都市というスマートシティーを建設中である。具体的に言えば、都市を建設することで電気や水道などの社会インフラ、交通網、通信網などの情報を統合的に制御し、環境負荷の軽減を図る狙いがある。 

 この街づくりの最大のコンセプトは環境重視。全長25㌔の自転車専用道路を張りめぐらし、徒歩や自転車を主な移動手段にして、車を極力使わなくてすむように工夫している。高層住宅にはハイテクな装置が完備され、ゴミをダクトから吸引して収集センターまで自動集積することで、街にゴミ収集車は不要となっている。 

 さらに、ソウルから南に120キロの忠清南道(チュンチョンナンド)には、2012年7月に世宗(セジョン)特別自治市が誕生した。その地は、ソウルに続く韓国の「第2の首都」にするという位置づけで建設が進んでいる。