オランダ警察「ワシから逃げられたドローンは皆無」...導入に本気

ロボティア編集部2016年9月14日(水曜日)

 オランダでは、各国首脳や国賓が国を訪れる際、空港近隣など飛行禁止区域を飛ぶ違法なドローンを捕獲するため、“本気”でワシ(鳥)を投入するかもしれない。というのも、オランダ警察は昨年からドローン捕獲用のワシを訓練してきたが、その成果が著しいのだという。オランダは現在、ドローンが空港付近や飛行制限区域に進入する問題、またドローンによるプライバシー侵害などが、社会問題として浮上している。オランダ警察デニス・ヤヌス代理人は、海外メディアの取材に次のように答えている。

「最先端技術が起こした問題に対する、単純かつ簡単な解決法になる(中略)これまでのテストの結果、怪我をしたワシは皆無で、ワシの”監視網”から逃げることができたドローンもまた皆無だ。(中略)ドローンを取り締まる上で、この方法よりもより良い方法を探せなかった」

 ワシは違法に飛行するドローンを捕獲し、安全な場所に下りる。ドローンをエサとして認識して捕獲するようで、犬や馬といった他の動物と混成チームを組む計画もあるそうだ。またオランダでは現在、約100名の警察官がワシとともに任務を遂行できるようにトレーニング中で、来年の夏頃から「ワシ警察飛行団」が本格的に活動を開始する予定となっている。なお、ドローンの監視・捕獲に投入されるワシは、ガードフロムアバーブ(Guard From Above)という企業が提供する。

 日本のドローン空撮関係者の話でも、鳥類はドローンについて非常に強い敵意を向けると言う。それは、カラス、つばめなど、ワシ以外の鳥も同じようで、撮影中に鳥に囲まれるということが少なくないようだ。訓練された猛禽類となれば、ドローンの”天敵”になる可能性は十分にある。

 現在、世界各国ではアンチドローンシステムの研究開発が進み、ドローン関連のいち市場として注目を浴びている。費用対効果、もしくは実際の摘発効果としてはどちらがより高い能力を発揮するのか。非常に気になるところである。

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