
保育ロボットにも懸念がないわけではない。保育ロボットの多くは一見、本物の人間のように見えるため、子どもが人間よりロボットになついて愛着障害を起こす可能性が報告されている。愛着障害とは、乳幼児期に虐待や育児放棄を受けたため親に十分な愛着を形成できなかったことに起因する、対人コミュニケーション障害や情緒障害を伴う心の病気。保育ロボットによって親との愛着関係がつくれない危険性が出ているというわけだ。
ドローンの普及にもリスクの指摘がある。英デボン、コーンウォール、ドーセットの各州警察、また韓国の各道自治体や警察では現在、行方不明者の捜索や犯罪場面の撮影にドローンを導入しようと実証実験を行っているが、ここにはプライバシー侵害の可能性が指摘されている。米ノースダコタ州はドローンにテーザー銃、催涙ガス、ゴム弾の搭載を米国で初めて合法化し、物議を呼んでいる。
ロボットの用途が最も懸念されているのは、戦場で利用である。人を殺すロボット=キラーロボットの研究開発については、各国団体・知識人などから反対の声が上がって久しい。キラーロボットについては現在、国連(UN)特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)会議で、利用禁止を視野に入れた議論が行われている。
ロボット工学研究者グループと共にシャーキー氏はUNで自律型ロボット兵器(キラーロボット)に関するロビー活動を行い、すでに成果を上げている。ミッションを開始してから3年、54のNGOがキラーロボットに反対するロビー活動を行い、60カ国は反対を表明している。同内容は、2015年11月の国連CCW年次会議で引き続き協議された。
シャーキー氏は「我々の関心の対象はロボットの背後にいる人間であり、メーカーであれ、政府であれ、人間に責任があると考えている。説明責任と義務の明確化、それを政策に盛り込むことが必要」と人間の責任を強調。「我々は、政治家はテクノロジーを全然理解していないと考えている。政策がテクノロジーに追い付けなければ、法も追いつけない」と懸念をあらわにしている。
