ディープラーニング for Java開発者・アダム・ギブソン氏の野望

ロボティア編集部2015年8月26日(水曜日)

 ディープラーニングという言葉が流行って久しい。ディープラーニングとは機械学習の形態の1つで、あらゆる形状、サイズのインテリジェント・デバイスを使って人間の脳の学習機能をエミュレート(模倣)しようという試みだ。「人間の脳神経回路を真似することによって、データを分類しようというアイデアに基づくアルゴリズム」と解説するメディアもある。

 世間によく知られているディープラーニングの成果として有名なのが、2012年に発表されたGoogleの研究。12層のニューラルネットワークにインターネット上にある人や猫の顔の画像を大量に入力した結果、コンピュータが人や猫の顔の画像が判別できるようになったというものである。それから3年が経過した現在、ディープラーニングの画像認識精度は人間を超えてしまったという。2015年にはGoogleやMicrosoftのディープラーニングの誤認率が5%を切るまでに進化を遂げている。他にも、音声検索、音声の文字化、スパムフィルタ、ECサイトにおける不正検出などに利用できるとされ、研究開発分野や企業において注目を集めている。

 なお、ディープラーニングの専門的な技術などの解説については、他の機会を譲りたい。本記事では、Javaや Scalaで書かれた世界初のオープンソース分散deep-learningライブラリである、DL4J(Deep Learning for Java)を開発した、アダム・ギブソン氏について触れる。

 アダム・ギブソン(Adam Gibson)氏は、Facebookのマーク・ザッカーバーグ、アップルのスティーブ・ジョブス、Dellのマイケル・デルといった面々同様に大学を中退。IT業界に足を踏み入れた。アダム氏は、オープンソース・ディープラーニングプロジェクトを牽引するスタートアップ「スカイマインド(Skymind)」を創立し、現在は同社の最高技術責任者(CTO)として働いている。