人工知能が書いた記事がニュースサイトで1位を獲得...米大学生が実証

ロボティア編集部2020年8月22日(土曜日)

米バークレー大学の学生Liam Porr氏が、人工知能(AI)を使って作成したブログ記事がITニュースキュレーティングプラットフォーム「ハッカーニュース」(Hacker News)で1位を獲得。コンテンツ制作の現場において、AIが人間を代替する可能性を示したとして、業界内で注目を集めている。

ハッカーニュースは、米国の大手スタートアップインキュベーター・Yコンビネータが運営するソーシャルニュースサイトだ。先端テックやビジネス、ベンチャーなどのテーマを主に取り扱っている。Liam氏は、AI研究のための非営利組織・OpenAIが開発した高精度な文章生成ツール「GPT3」(Generative Pre-Training 3)を使ってブログ記事を作成。2週間後に、人間が書いたブログを差し置いて1位を獲得したと明かしている。

ハッカーニュースに掲載された記事は、「いいね」の評価や公開された日付を基準にして順位がつけられる。 Liam氏は記事のタイトルやキーワードをGPT3に入力。人工知能で生成した文章をそのまま掲載した。結果、約2万6000人が記事を閲覧し、一部の読者は人工知能が書いた記事とは知らずにブログ購読登録まで行ったという。

なお Liam氏は、アルゴリズムが作成した記事のところどころには、文脈が合わないなどエラーがあったのにもかかわらず、記事を人工知能が作成したと疑う人は数人に過ぎず、むしろ懐疑的なコメントに対して嘲笑や批判が集まったという。

強力な言語生成モデルが一般に公開され始めた現在、人間が書いた記事か、機械が書いた記事かは分かりにくくなっている。今後、情報を取得する側の前提知識や処理能力がさらに試されていきそうだ。