中国で登場した美容サロン向けAIアプリ「暁美机器人」とは

ロボティア編集部2019年11月11日(月曜日)

中国で「暁美机器人」(中国語表記:晓美机器人)という、美容サロン向けの人工知能アプリが登場した。これはAIが顧客に似合ったヘアスタイルを提案してくれるというサービスで、その仕組みがとても興味深いのだが、まずはどのように使われているから説明していきたい。

美容院のスタッフがスマホに暁美机器人のQRコードを表示させ、顧客は自身のスマホにダウンロード済みの微信(WeChat)でそれを読み込む。その後、暁美机器人のアプリを起動させ、顧客は自分の顔をアップで撮影。身長など追加情報を登録していく。暁美机器人に内蔵されたAIは、顧客データを受け取り分析。似合うであろうヘアスタイルの候補を美容師・顧客双方のスマホに画像で送信してくれる。最後に、美容師と顧客が相談。候補の中から、最も気に入ったヘアスタイルを指定するという流れである。

暁美机器人の紹介動画では、実際に使用した人々の感想が語られている。美容サロンの店長のひとりは次のように話す。

「自分が客に提案しようと考えていたヘアスタイルと、暁美机器人が提案したヘアスタイルがほとんど一致していた。流行に敏感なお客さんにとって、こうしたアプリは遊び感覚で楽しめるしとても良いと思った。今後、こうしたアプリの存在は私たちにとって大きな力になるだろう」。

一方、顧客側からは「初めてこうした製品を利用したがとても新鮮だった」「分析がとても丁寧」「カルチャーショックを受けた。スマホでヘアスタイルを決められるなんて思いもしていなかった」など、ポジティブな声が聞こえてくる。

暁美机器人を開発した杭州数為科技有限公司は、2015年7月に設立された企業で資本金は約80万元(約1300万円)。スタッフ数は40名ほどとなっている。同社は、暁美机器人の利点をいくつかに分けて説明する。

まずひとつが、「オーダーメイド」の実現だ。こちらは「パーソナライズ」と言い換えてもよい。様々なデータ・次元から顧客を分析することで、顧客ひとりひとりに適したオリジナルヘアスタイルを提案するのに役立つというものである。

ふたつめは、「科学的美しさ」と「リアルな再現性」の実現だ。暁美机器人を使えば、顔の形や傾向を細かく分析した客観的視点から髪型を提案できる。加えて、スマホをタップしていくだけの簡単操作でヘアスタイルを決定できるので、美容師・顧客間の正確なコミュニケーションが可能となる。