欧州の反移民団体がアルプス国境を封鎖...移民取締りの警備詐称で罰金刑

ロボティア編集部2019年10月10日(木曜日)

アルプスの国境地帯に移民を反対する横断幕を設置した欧州拠点の反移民団体「ジェネレーションアイデンティティ」(Generation Identity)の会員が、実刑を宣告された。また同団体にも罰金が課された。

フランス南東部にあるガップ裁判所は9月末、極右性向があるとされるジェネレーションアイデンティティ所属の会員3人に、6ヶ月の懲役刑および2000ユーロ(約23万円)の罰金刑を宣告した。団体には7万5000ユーロ(約900万円)の罰金が下された。これは国境守備隊詐称の罪に対する最高額の罰金となる。

ジェネレーションアイデンティティは2018年4月、アルプス標高1762mに位置するエシェル峠で「国境は閉鎖した」という文字を印刷した横断幕を掲げ人々の移動を防いだ。横断幕には「欧州はあなたの家になれない。国に帰れ」というフレーズが印字されていた。

彼等はまた、山の中腹にあるフランス・イタリアの国境地帯にプラスチックフェンスを設置。境界線をつくり、2台のヘリコプターを飛ばし“警備”を行った。同団体は、「不法移民の入国を防ぐ」「国境を越えてくる人々に閉鎖されたことを知らせる」などと主張していた。

検察側は、ジェネレーションアイデンティティが公務を詐称して一般市民に混乱を生じさせたと指摘。また青のジャケットで服装を統一し、警察と似たマークを車両に取り付け、専門用語を使って移民に自らを警察として認識させようとしたと追求した。刑を宣告された3人のメンバーは判決を受け入れず控訴する方針だ。

ジェネレーションアイデンティティは、2017年に地中海を渡ってヨーロッパ大陸に入ってくる移民を船舶で捕まえようとし議論を巻き起こしたことがある。警察は、今年3月にニュージーランドの南島・クライストチャーチで発生したモスク銃乱射事件の容疑者も、ジェネレーションアイデンティティと関連があるものとみて調査している。