情勢悪化が続く香港…富裕層に人気の海外移住国は?

ロボティア編集部2019年8月27日(火曜日)

逃亡犯条例改正を反対するデモで情勢不安が長期化している香港では、海外移住を模索する富裕層が増えているという。ロイター通信は、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州移民局が移民専門弁護士に送った書簡で、最近数ヶ月の間にオーストラリアへの移民申請が大幅に増えたと指摘していることを報じた。また移民局は、500万オーストラリアドル以上の投資家に発給する「上級投資家ビザ」(SIV)に言及。移住への関心が高まった時期が、香港の政情不安の時期と一致していると分析しているという。

香港富裕層は、オーストラリア以外、特に東南アジア諸国への移住にも関心を高めているようだ。

マレーシア政府は今年に入り、香港住民から251件の「マレーシア・マイセカンドホーム」(MM2H)の申請を受けたと明らかにした。経済的に余裕のある外国人のために用意されたMM2Hだが、ビザ担当機関は「ここ2週間の間に香港からのお問い合わせが急増した」と状況をメディアに説明している。

タイの不動産業界も、香港の情勢悪化の反射利益を見ていると観測がある。また、台湾に移住したい香港人の数も増えているという報道もあった。今年に入り、台湾移民局に香港人が移民や滞在を申請した件数は2027件。前年同期比14.3%増加した。デモが本格化した6月、7月には香港人の移民・滞在申請が632件で前年同期比45.5%急増している。