53本の"指"を持つピアノロボット「テオトロニコ」がイタリア人著名ピアニストと対決!

ロボティア編集部2018年6月4日(月曜日)

ジャズロボット開発の基本は学習だ。ルイ・アームストロング、マイルス・デイヴィス、チャーリー・パーカーなど伝説的なジャズ奏者から現代の有名ジャズ演奏者にいたるまで、膨大な楽譜と演奏シーンをデータベース化し学習させているとされている。なお人工知能の専門家たちは、「混沌状態に見える即興演奏にもそれなりのルールがある」と話す。ジャズには厳格なルールと創造性の興味深い結合状態があるのだそうだ。

「戦争状態を勝ち抜くためのジャズロボット」となると好奇心をくすぐられる反面、いささか物騒ではある。それでも、音楽を演奏するロボットが増えることは非常にうれしいことではないだろうか。才能ある音楽家のコンサートに行くには少なくないお金がかかる。自動化が進めば、そこそこ良質な音楽を安い金額、もしくは無料で聞くこともできるようになるだろう。

例えば、ヤマハが製作したピアノ「ディスクラビア(Disklavier)」は、非常に洗練された自動演奏が可能となっている。使用されているソフトウェアは、米・ゼンフ(Zenph)社だ。同社は過去に、ピアニスト、グレン・グールドのモノラル録音を徹底的に分析した後、キータッチや音量などを完全にデータ化し、自動演奏を再現するプロジェクトを実現させた。

音楽、もしくは才能あふれるピアニストの音楽性を「数量化」「定量化」する作業は今後も続くだろう。それら発展したソフトウェアが、人間以上の指を持つピアニストロボットに搭載された時、人間が持つ表現力を模倣・獲得するにいたるのだろうか。いずれにせよ、機械と芸術を取り巻いた話題は今後さらに増えていきそうだ。