「中国のAI潜在力は米国の半分」...英オックスフォード大が辛辣評価

ロボティア編集部2018年5月4日(金曜日)

商業的なエコシステム、もしくはネットワーク面では中国は世界第2位を占めているが、総体的には米国の4分1に過ぎないと、レポートは評価している。世界のすべてのAI企業のうち、米国が42%、中国が23%を占めているが、AI分野への投資金額ベースでは、中国企業は約26億ドルに過ぎず、米国の172億ドルを大きく下回っている。次いで競争力のある新興AI企業という文脈でみた際には、米国39社、中国3社であった。2012年から昨年7月までに行われた、79件のAI分野のM&A事例では、66社が米企業に買収されており、対する中国企業は3社のみという結果も報告されている。

ただし、中国のデータ面での優位性は明らかだとしている。レポートは、中国のデータ面における絶対的優位の背景として、「プライバシー保護の不備」を挙げた。中国のIT大手企業が大量のデータを収集し、政府機関とデータを共有している状況があるというのがその指摘だ。またレポートは、「中国が持つデータの総量が非常に大きいが、中国の『データ保護主義』が、中国のインターネットエコシステムを閉鎖的にしている」とも指摘した。

FacebookとGoogleなど欧米の大手企業のサービスを排除している中国市場では、国内IT企業が恩恵を享受できる構造がある。仮にデータをAI発展に必要な希少資源とした際、中国政府は企業や研究機関などを通じてその資源を「独占」することができる。一方で、他国は、様々なプラットフォーム上で開放されたデータを共有しつつ、グローバルデータの「互恵関係」を形成しており、中国はそこから排除されていると説明している。