AIチップ開発競争が激化…「ビジネスアイデアは後回し」に懸念の声

ロボティア編集部2018年4月6日(金曜日)

いまやAI(人工知能)の活用によってビジネスは多様化され、仕事の高効率化のアイデアも次々と出てきている。しかし、現状のAIシステムでは力不足だったり、実現は可能だがコストがかかりすぎたりと、ニーズに応えられない場合も多いのが現状だ。

多様化するニーズに応えられるよう、半導体大手企業をはじめクラウド会社やIT企業など数多くの企業が、AIチップの独自開発に拍車をかけている。

既存コンピュータの中核チップであるマイクロプロセッサでは、Intelがサーバからノートパソコンまで市場のほとんどを掌握した。その後、スマートフォン全盛の時代になると、ARMのプロセッサコアが台頭。マイクロプロセッサ市場はIntel系とARM系の二頭体制になった。

しかし、AIが情報システムの中核を担っていく市場においては、この勢力図がまったく意味をなさない。いまだ模索を続ける未開拓市場のため、いわば「開発したモノ勝ち」な状況だ。したがって、ベンチャー企業から大手企業にいたるまで、熾烈な市場争奪戦が繰り広げられている。各社開発するAIチップの特徴や仕様はまったく異なり、思い描く活用方法もさまざまだ。

そもそもAIチップとは、これまでにそれぞれ用いてきた中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、メモリ技術が一つのチップに統合されてつくられるもの。 既存技術でそれぞれのチップが「一度に一つずつ」データを処理したとすれば、複合することによってイメージ処理や音声認識など多様な非定型データを、迅速かつ同時に処理する技術が備わる。

ビッグデータや仮想通貨、ブロックチェーン、人工知能など最新技術のトレンドは、膨大なデータ量とそれを処理するための超高性能なコンピュータが必要不可欠だ。もはや一般的なCPUの集積率アップだけでは、動作速度の面でも、消費電力の面でもとても追い付かない状況に至っており、そこで登場したのが、CPUを補助するさまざまな演算処理チップである。ある目的専用の効率の良い処理系をサポートに入れることによって、CPUの負担を軽減し、消費電力を抑えながら高速化を図るというのが主流になりつつある。