動物保護団体が無許可で警備用ロボットを配置し「ホームレス排除」…米SF

ロボティア編集部2017年12月14日(木曜日)

サンフランシスコに拠点を構える動物虐待防止協会(以下、SF SPCA)が、オフィス近隣にホームレスが寄り付かないよう、ナイトスコープ社製の警備用ロボット「K9」を配置したとして話題だ。

SF SPCA側は、ホームレスが設置したテントのせいで、スタッフが歩道を通れなくなっていたためK9の設置を決定。結果、ホームレスのテントや車両侵入が大きく減ったと説明している。

ただサンフランシスコ市当局は、公共施設である歩道を使用できなくすることは違法だとし、SF SPCA側にロボットの撤去を言い渡した。そして許可なく路上でロボットを走行させれば、一日に1000ドルの罰金を支払わなければならないと警告している。

この件について、人々はさまざまな反応を示しているという。一部の人々は街をきれいにしたロボットを賞賛しているが、一方でK9が配置された最初の週には、ロボットに防水シートを被せて倒したり、バーベキューソースをまくなどの騒動も起きたそうだ。

米国シリコンバレーのロボットメーカー・ナイトスコープが開発したK9は、レーザー、カメラ、温度センサー、GPSなどの機能を使って犯罪行為を事前に検出。情報をコントロールセンターに知らせる役割を果たす。

現在、1時間あたり約7ドルでは企業に貸し出されており、これは警備員の時給よりも安い。ナイトスコープ社は、米国の5つの州で19社以上の顧客を確保。マイクロソフト、UBER、Juniper Networksなどの企業は、同ロボットを駐車スペースやオフィスビルをパトロールする作業に投入している。

動物虐待を防止しようという団体が、ホームレスとは言えど人間をロボット(しかも違法)で排除しようと考えたことには驚きを隠せないが、警備用ロボットの性能が図らずとも証明されてしまった実例となりそうだ。