イチゴ収穫ロボットが登場...トランプ&ブレグジットで減った移民労働の代替!?

ロボティア編集部2017年10月25日(水曜日)

ベルギーのロボットメーカーOctinionが、「イチゴ収穫ロボット」を開発。温室でテストを行っている。

同ロボットはマシンビジョンで「成熟度」や「傷のつき具合」を判別。3Dプリンティングでつくられたアームがイチゴを持ち上げ、販売用バスケットにスムーズに取り込む。収穫にはまだ早いイチゴがあれば、ロボットが自動的に判断。収穫可能な日付を“再予測”する。

カリフォルニア州では、トランプ政権による移民政策の厳格化に伴い、イチゴを収穫する農場労働者を見つけることが困難になった。また英国では、ブレグジット(Brexit=欧州連合からのイギリス脱退)と関連し、東ヨーロッパの労働者が同国の農場で働くことを敬遠している。農業従事者が不足しているのは両国だけではい。多くの先進国では同じような課題に直面している。

移民など農業労働者たちは、数千km以上離れた場所からやってきて仕事をし、シーズンが終われば別の仕事を探しにいく。そして、より良い仕事を見つければ仕事場を移す。OctinionのCEOトム・コーエン(Tom Coen)氏は、そのような農業の形態は「持続可能」ではないと考えている。そこで開発されたもののひとつが「イチゴ収穫ロボット」だ。

Octinionが開発したロボットは、5秒ごとにひとつのペースでイチゴを収穫することができる。対して、人間は3秒ごとにひとつの実を取って包装まで行える。そう考えると、人間の方が作業時間が早いことになるが、コーエン氏によれば、コスト的にはすでに似通っていて、導入による経済的メリットは少なくないそうだ。

Octinionがロボットを設計する上で重要視したのは、「コスト」と「イチゴの判別」だった。例えば、イチゴを収穫する際には、茎をイチゴの上に置いてはならない。というのも、箱の中で、他の実を傷つける可能性があるからだ。またイチゴの実を包装する際に、顧客にアピールするためには、緑色の部分より、赤色の部分が目立つように配置しなければならない。Octinionのイチゴ収穫ロボットのビジョンシステムは、このイチゴ収穫・包装時の“コツ”も実行できる。