進む「データ畜産」…家畜の疫病早期発見や飼育工程管理にAI活用

ロボティア編集部2017年8月28日(月曜日)

■飼育から出荷までAIが担う 

 さらに一歩進んで、AIロボットを活用したブロイラー養鶏飼育衛生管理システムの研究開発も行われている。鹿児島大学や富士通などのグループが行っている研究で、AIロボットやセンサー、カメラなどを使って鶏舎内の環境を監視、死亡した鶏などを自動で発見・回収する衛生管理システムだ。人を介さない養鶏が実現すれば、コスト削減はもちろん、防疫態勢の強化にもつながるだろう。 

 飼育や管理だけでなく、養豚の出荷予測にAIが使われているケースも。自社ブランドの豚肉の飼育から出荷までの養豚事業を展開しているグローバルピッグファーム社は、出荷予測業務においてマイクロソフトの「Azure Machine Learning」の導入を検討。養豚の出荷に要する日数や頭数は、これまで飼育担当者の経験則による予測が行われてきたが、AIが導入されることでより精度の高い予測が期待されている。

  同じく、データホライゾンとNTTドコモは、食用豚の生産管理コスト削減を目指し、IoTを活用した業務効率化の実証実験を来る9月に開始するという。豚の出荷時期は体重によって決まるのだが、これまでは人手を使って体重を計測してきた。しかし、豚舎内に設置したカメラで豚の画像を撮影し、AIに豚の画像データと体重データを学習させることで、体重の測定が可能に。飼料の節約にもつながり、豚肉の生産コストを大幅に引き下げることができるそうだ。 

 効率化と高品質に貢献するということで、大きな注目を集めている畜産業におけるAI活用。今よりも安くておいしい牛肉や豚肉が食卓に並ぶ未来は、確実に近づいてきている。

(執筆:呉承鎬)